気になる前歯をキレイにする部分矯正とは
2021/10/22
歯の中でもっとも人目につきやすく、顔の印象を決定づけるのは「前歯」です。
前歯の歯並びが整うだけで、笑顔の雰囲気は驚くほど変わるものです。
そこで今回は、前歯のみに矯正装置をつけて行う「部分矯正」についてご紹介します。
部分矯正とは
矯正治療で上下全ての歯を矯正するのではなく、前歯の出っ歯を治したり、歯並びがガタガタのところを治したり、補綴治療（虫歯や歯周病、かぶせ物治療、インプラント治療など）をするために歯を動かしたりなど、矯正治療を気になる部分だけ限局して行う矯正治療のことを言います。
●部分矯正のメリット
・全体矯正に比べ矯正費用が安い。（15万～45万ぐらい）
・気になるところだけを短期間（1年以内）で終了することができる。
・矯正装置を全部付けなくていいので気持ちがスッキリ。
確かにメリットとしてはかなり魅力的です。しかし、よく考えると部分矯正によるデメリットもあります。
●部分矯正のデメリット
・噛み合わせを作ることができない。
・矯正治療の仕上がりが甘い。
・抜歯は部分矯正では厳しいので歯を削ってすき間を獲得する。
などが挙げられます。
部分矯正の最大のデメリットはかみ合わせが作れないことにあります。
皆さんは何のために矯正治療をしますか？
あなたの矯正治療は前歯のみでOK？部分矯正ができる歯並び・できない歯並びとは
●部分矯正での治療が適している方
・噛み合わせの大事さを知った上で矯正治療はできれば全体矯正でやりたいが矯正費用がどうしてもネックな患者さん。
・奥歯のかみ合わせが綺麗で歯のデコボコが軽度の患者さん、もしくは全体矯正後の前歯に限局した後戻りの方など。
→この奥歯のかみ合わせは問題ないが前歯が少しガタついている方が部分矯正の適応症だと思います。
・補綴のための部分矯正。
→虫歯の位置が難しいところにありこれを部分矯正することで難易度を下げたり、歯周病治療でなかなか改善しないところを矯正治療で歯磨きしやすい環境を作ったり、インプラントまたはかぶせ物を装着するときに長期的に安定させるために部分矯正を選択するのもいいと思います。
●部分矯正よりも全体矯正での治療が適している症状の例
・奥歯のかみ合わせが悪いのに前歯の見た目だけ治そうとする方。
→これは長期的に見ると噛み合わせの崩壊を招いてしまったりすることがあります。
・抜歯をして並べたほうがいいのに時間をかけたくないがために歯をたくさん削って空隙を作り矯正するような治療方針になる方。
→これも長期的に見ると歯が弱ってしまったりするのでオススメできません。
・部分矯正の安さに目を奪われて、噛み合わせを厳かにする方。
→矯正治療の本来の目的は噛み合わせを治すことに意味があります。
噛み合わせの大切さ
矯正治療は本来何が目的かというと歯並びを綺麗にすることが一番の目的ではありません。
矯正治療の一番の目的は正しい噛み合わせを作ることで、患者さんの歯を生涯にわたって１歯でも多く残りやすくすることが本来の目的です。
部分矯正が絶対にダメというわけではありませんが、部分矯正をするならしっかり噛み合わせのことまで考えたうえで部分矯正を選択することがベストだと考えられます。
部分矯正を検討するなら、十分にカウンセリングを受け、部分矯正でできること・できないことについて理解したうえで治療にのぞめば、満足のいく結果が得られます。
自分にあった治療法で美しい前歯を手に入れ、あなたらしい生き生きとした表情で微笑みましょう。
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