永久歯がない? 歯の先天性欠損について
2022/02/28
【先天性欠損歯】という言葉を聞いたことはありますか?
先天性欠損歯とは、生まれつき歯が形成されていないことをいいます。
歯の形成異常の1つであり、病気ではありません。
2010年の小児歯科学会の大規模な疫学調査の報告によると第三大臼歯(親知らず)を除く永久歯の先天性欠如の発現頻度は10%と報告されています。
10人に1人の方が、永久歯が生まれつきないことが分かったのです。
実際、矯正相談で来院された患者さんの中にも、
「他院で永久歯がないと言われました。。」、
「乳歯が生え変わりません。。」
と悩まれ来院される方もいらっしゃいます。
先天性欠損歯とは?
通常ヒトの歯の本数は、乳歯で20本、永久歯で28本(親知らずを含めると32本)あります。
下のレントゲン写真(赤い矢印が先天性欠如の箇所)のように、本来永久歯の種となる歯胚(しはい)と呼ばれるものが確認できません。何らかの原因により歯胚が形成されないと、永久歯が形成されず、欠損となります。
このことを、【先天性欠如】または、【先天性欠損】と呼びます。
歯胚ができない理由としては、遺伝、感染、妊娠中の薬の副作用や栄養不足、外傷など諸説ありますが、はっきりしていないのが現状です。
実際の臨床においても、歯が少ない患者さんを拝見することは珍しい事ではありません。
1本ないし、複数本の永久歯が欠損している方もいらっしゃいます。
先天性欠如歯かどうか調べる方法は?
歯科医院でパノラマレントゲン撮影を行うことで判断します。
定期健診の際に、歯の生え変わりに問題が生じている場合にレントゲン撮影を行います。
先天性欠如歯があった場合の対処法?
永久歯が欠如していると乳歯の歯根が吸収されないため、成人になっても乳歯が残っていることがあります。
この乳歯を抜歯するのか、できるだけケアして、長持ちさせるかがポイントとなります。
ただし、定期的なメンテナンスを行っていても、乳歯は永久歯よりも歯根が短く弱いため、30~40歳代で動揺し、抜けてしまうことが多いです。
乳歯が抜けた場合は、
・ブリッジ
・入れ歯
・インプラント
・矯正治療
上記のいずれかの方法で乳歯が抜けて生じたスペースの対処を行います。
一番やってはいけないことは、
「欠如スペースを放置すること」
です。
歯が足らない状態を放置すると、
・欠如しているすき間に両隣の歯が倒れてくる
・向かい合う歯が伸びてくる
→かみ合わせが悪くなる、歯並びが悪くなり歯ブラシがしにくくなる、食事への影響など様々な問題が生じる可能性があります。
まとめ
先天性欠如に関しては痛みなどの自覚症状がなく、本人や保護者の方も気づかないことが多いです。
そのため、かかりつけの歯医者さんで定期健診を受けられることが大切になります。歯医者でレントゲン写真を撮影することにより、歯の生え変わりが順調か、顎の骨に異常がないか、歯の本数が足りているかなどを確認してもらいましょう。
補足:
【6本以上の先天性欠損歯の方は、矯正歯科治療が保険適用になります】
矯正治療は一般的には自費診療になりますが、厚生労働省が定めた特定の症状がある患者さまに限り健康保険が適用されます。
2013年度より6歯以上の先天性欠損歯がある場合も保険適用となりました。
保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長に届け出た保険医療機関のみとなります。
引き続きよろしくお願いいたします。
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