永久歯がない? 埋伏歯について
2022/03/30
生えてくるはずの永久歯が生えてこない、、、。
乳歯が抜けず生え変わらない、、、。
など困ったことはありませんか?
永久歯が生えてこない原因としては、以下の2つが挙げられます。
- ・先天性欠損歯(別のブログでご紹介しています)
- ・埋伏歯
生えてこない原因が、上記のどちらかは、レントゲン撮影により判断可能です。
実際、矯正相談で来院された患者さんの中にも、
「他院で永久歯がうまっていると言われました。。」、
「乳歯が抜けません。。」
と悩まれ来院される方もいらっしゃいます。
埋伏歯とは?
歯の頭(歯冠-しかん-)の全てまたは一部が、顎の骨や歯肉の中に埋まって出てこない歯のことをいいます。
↑レントゲン写真画像(赤い矢印が埋伏歯の箇所)
埋伏歯は、智歯(親知らず)、過剰歯、犬歯(糸切り歯)、中切歯(2番目の前歯)、第二小臼歯(5番目の歯)の順で発生しやすいと言われています。
発生率としては、3~8%です。
埋伏歯になる原因
埋伏歯になってしまう原因には以下の事が考えられます。
● 顎骨が小さい(歯列に歯が生えるスペースが不足している)
● 歯の幅径が大きく歯の萌出するスペースがない
● 歯胚の位置不良(永久歯の芽の位置がおかしい)
● 過剰歯や何かしらの障害物が、永久歯が生えるのを妨げている
● 骨性癒着(アンキローシス)
● その他(原因不明)
埋伏歯の治療方法
埋伏歯は、痛みを含め自覚症状がないこともあります。
まずは、治療の必要性、どのような治療を行うかを判断するため精査が必要です。
従来の検査項目(歯の型取り、顔貌・口腔内写真、歯周検査、レントゲン撮影)だけではなく、歯科用CT撮影が必須となります。
歯科用CT撮影を行うことで、下の画像のように立体的に埋伏歯の位置、方向が確認できます。
次に、埋伏歯の存在を確認した場合の治療方法をご説明します。
①経過観察
→埋伏永久歯の歯根形成状態や、位置によって自然に生えてくるのを期待できる場合は、経過観察を行います。経過観察期間は、患者さんのお口の状態によって異なります。3~6か月に1度レントゲン撮影し、位置を確認します。
②晩期残存乳歯の抜歯
→乳歯が抜けずに残っている場合は、後続の永久歯の萌出を妨げることがあります。この場合は、乳歯を抜歯することで、埋伏歯の萌出を誘導します。
③開窓(埋伏している歯を覆う歯肉の一部を切開する)
→歯肉の一部を切開することで、埋伏歯が自然に生えやすい環境を作ります。
④牽引
→乳歯の抜歯や、開窓などを行っても、自然に萌出しない場合があります。その場合は、矯正装置をつけて埋伏している歯を引っ張り出し、その後、全体の歯並びやかみ合わせを治していきます。
⑤抜歯
→一部の埋伏歯は、萌出よりも抜歯を選択する場合もあります。
それは、過剰歯や親知らずなどの場合です。また、埋伏歯を引っ張り出すことができない場合にも抜歯をすることもあります。
埋伏歯を放置する欠点
埋伏歯を放置することで、
- ・隣在歯の歯根と埋伏歯がぶつかり歯根吸収を惹起する
- ・本来埋伏歯が生えてくる場所に隙間がある場合は、その隙間に向かって隣在歯が倒れこんでしまい、隙間がなくなってしまう
- ・半埋伏(歯冠の一部のみが生えている)の場合は、清掃不良になりやすく、虫歯や歯肉炎を惹起する
まとめ
埋伏歯をどのように対応するかは、患者さんごとにそれぞれ違います。
しかしながら、埋伏歯は永久歯です。
そして、正しいかみ合わせを確立する上では、必要な歯のうちの1つです。
年齢があがるにつれて、骨と歯根が癒着していることが多く、牽引するにしても、抜歯するにしても難しくなります。
埋伏歯の治療については、早い段階で相談することをお勧めします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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