乳歯の受け口について
2021/12/07
うけ口とは、上の歯に比べて下の歯が前に出ているかみ合わせです。
「反対咬合」(はんたいこうごう)や「下顎前突」(かがくぜんとつ)といわれています。
ご両親が気づく場合や、3歳児検診の際に指摘される場合もあります。
今回は、うけ口は治した方がいいのか、様子を見ていいのか、治療開始するタイミングはいつがいいのかについて、お伝えしたいと思います。
●うけ口になる原因は?
- 骨格的な問題によるもの………上顎骨が小さい場合や、下顎骨が大きい場合
- 早期接触によるもの………前歯で最初にあたっているが、奥歯では噛めないので下顎を前に出して噛んでいる場合
- 癖によるもの………指しゃぶりや口呼吸、頬杖、舌癖、唇をかむ癖がある場合
に分けられます。
日本人のうけ口の発生率は約5%と言われており、比較的多くのお子さんがうけ口で悩まれています。
●うけ口を早めに治療を行った方がいいのか?
お顔の形はすべてが遺伝的に決まっているのではなく、環境的な要因も関係しています。
1~3割のうけ口のお子さんは前歯が永久歯に生え変わる時期に自然治癒することもあります。しかし、7割以上のうけ口の方は自然治癒せず、下顎の前歯によって上顎の成長を抑制したり、下顎がズレて咬んでいるお子さんは下顎の成長方向が前方や側方に偏位する可能性があり、お顔が歪む可能性があります。
他にも、前歯で咬み切ることが上手にできないので消化不良を起こす可能性や、「さ行」「た行」のように歯と舌が接触して発音を行う言葉に影響がでることもあります。
そのため、うけ口のお子さんは早めに治療を行い、上顎と下顎の位置を整えることにより予防することが重要になります。
●治療を開始するタイミングは?
すべての乳歯が生えそろうのが3歳ごろであり、その時期なるとお子さんの噛む位置が安定してきます。そのため、3歳以上でお子さんの性格なども考慮し、治療を開始される時期をご検討されることをお勧めします。
●乳歯のうけ口を治す装置:歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド、EFline)
乳歯列期のうけ口を治す装置として歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド、EFline)という装置があります。
就寝時にお口の中にいれるマウスピースのような装置です。
仕組みとしては、
食べ物を飲み込むときに、舌を上顎につけるのが正常です。
しかしながら、受け口の方は飲み込むときに下顎の前歯につけてしまいます。
そのため、下顎の前歯を舌で持続的に前方へ押すために、下顎が前に出てしまいます。
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド、EFline)を装着すると、舌は必ず上顎につきます。
そのため、上顎が前に成長します。
このように、受け口を治すためには、舌が正しい位置に行くように癖づける必要がありますが、歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド、EFline)はそれを助けてくれます。
また歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド、EFline)をすると、上口唇が上の前歯に当たらないようになる為、上口唇の力を排除することができ、上顎骨の成長を促します。
●長所、短所、まとめ
長所
- 3~5歳から始めることができます。
- 取り外し式の装置で、痛みが少ない装置です。
- 取り外しが可能なので、歯磨きに支障がありません。
- 夜眠っている時・テレビを見ている時などに使用する装置で、お子さんに対しての負担が少なくすみます。
- 通常の矯正治療に比べると期間が短くてすむ場合もあります(通常1年以内)。
短所
- 骨格性の不正咬合など歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド、EFline)が適応にならないことがあります。
- 年齢によっては装置を使っていただくことが難しいことがあります。
- 歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド、EFline)による治療で受け口を治した後に、成長途中で再度受け口に戻る可能性があります。
以上の長所、短所を踏まえて、乳歯列期の矯正治療を開始した方がよいかについても、来院時にかみ合わせの状態に応じて、詳しくお話させていただきたいと思います。
少しでも、皆さんの矯正治療に対する疑問にお答えできるよう、定期的にブログをアップしていきます。
引き続きよろしくお願いいたします。
矯正の種類、料金、治療期間などご質問あれば矯正初診相談はお気軽にご予約ください。
川崎市宮前区の『宮崎台おとなこども矯正歯科』へ
ぜひお越し下さい。お待ちしております。お電話、インターネットでご予約頂けます。
宮崎台おとなこども矯正歯科🦷
📞 044-863-9431